助成金は、国等から事業主に対して支給されるもので、融資とは異なり、返済する必要はありません。助成金の
財源は主に、事業主の方が負担する雇用保険料の二事業費等から拠出されています。
雇用の新規創出、雇用の維持、再就職支援、創業支援、育児・介護労働者の雇用管理改善、労働者の能力開発等
の目的・場面に応じて、さまざまな助成金が用意されています。詳しくは助成金一覧をご覧ください。
要件に該当しても、自動的に支給されるものではありません。助成金の種類ごとに定められた要件のもとに、助
成金を取り扱う機関(主にハローワーク)に対し、申請期間内に必要書類を添付して、手続き(計画の届出、申
請等)をすることが必要です。
①労働保険・社会保険への加入は必須
雇用保険の適用事業所の事業主であることが条件になっており、未加入の場合は、支給を受けることができませ
ん。未加入の場合でも、加入手続きを行い、労働保険料を遡及(過去2年間)して支払うことで、助成金の支給を
受けることができる場合もあります。また、労働保険料を滞納しているときは、支給を受けることができない場
合があります。
②就業規則、労働者名簿、賃金台帳、出勤簿(タイムカード)等の整備は不可欠
申請の際に必要となりますので、整備は不可欠です。
③解雇には注意!
一定の期間において解雇していないことを条件としている助成金が多いため、解雇(事業主都合による離職)
には、注意が必要です。
④労働関係法令は遵守!
労働関係法令に違反し、送検等されたことがあった場合、支給を受けることはできません。
不正受給がないかどうか、事業所に対して、調査が入ることがあります。もし、不正受給が発覚した場合、支給
を 受けた助成金の返金はもとより、その後3年間は助成金の支給を受けることができないなどペナルティを課せ
られます。
また、不正受給を行った事業所については、事業主の名称、代表者氏名、事業所の名称、所在地、概要、不正受
給の金額、内容を公表され、場合によっては刑事告訴されることがあります。
◆雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金は平成25年4月から雇用調整助成金に統合)
景気の変動、産業構造の変化などの経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的に
休業、教育訓練又は出向により、労働者の雇用の維持を図る場合に、その賃金等の一部を助成します。
【休業・教育訓練の場合】
休業手当等の一部助成 1/2 (中小企業は2/3) 上限あり(1人1日あたり)
教育訓練を行った場合 1人1日あたり 1,200円を加算
◆特定求職者開発助成金 ( )は中小企業以外の金額
高年齢者、障害者、母子家庭の母、父子家庭の父(※1)等の就職が特に困難な方を、ハローワーク等の紹
介により、継続して雇用する労働者として雇い入れた場合に、賃金の一部を助成します。
【高年齢者(60~64歳)、母子家庭の母、父子家庭の父等】
1人あたり60万円(50万円)、短時間労働者(※2)は40万円(30万円)
【身体・知的障害者(重度以外)】
1人あたり120万円(50万円)、短時間労働者(※)は80万円(30万円)
【身体・知的障害者(重度又は45歳以上)、精神障害者】
1人あたり240万円(100万円)
(※1) 児童扶養手当(児童扶養手当法に基づき、ひとり親家庭の生活の安定と自立を支援するために支給
される手当で、児童手当ではありません)を受給している父子家庭の父を、平成25年3月1日以
降に雇用した場合
(※2) 1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の者(以下同じ)
◆トライアル雇用奨励金
技能、知識等から就職が困難な特定の求職者を、ハローワーク等の紹介により、一定期間試行雇用した場合、
奨励金を支給します。
1人あたり月額最大4万円(最長3か月間)
◆キャリアップ助成金
有期契約労働者等(契約社員、パート、派遣社員など)を以下のような処遇や職場環境の改善を行った場合、
助成します。
(正規化コース)
正規雇用等への転換または直接雇用 ( )は中小企業以外の金額
①有期 → 正規雇用 1人あたり57万円(42.75万円)
②有期 → 無期雇用 1人あたり28.75万円(21.375万円)
③無期 → 正規雇用 1人あたり28.75万円(21.375万円)
※派遣労働者を派遣先で正規雇用等として直接雇用する場合
1人あたり ①③ 28.75万円 を加算
※対象者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合
1人あたり ① 9.5万円 ②③ 4.75万円 を加算
(人材育成コース) ( )は中小企業以外の金額
有期契約労働者等に次の職業訓練を行った場合
・一般職業訓練(Off-JT)
・有期実習型訓練 (「ジョブ・カード」を活用したOff-JT+OJT)
・中長期的キャリア形成訓練 (専門的・実践的な教育訓練)(Off-JT)
Off-JT《1人あたり》 賃金助成:1時間あたり760円(475円)
経費助成: 一般職業訓練、有期実習型訓練 :最大30万円(20万円)
有期実習型訓練後に正規 雇用等に転換された場合:
最大50万円(30万円) ※実費を限度
OJT《1人あたり》 実施助成:1時間当たり760円(665円)
(賃金規定等改定コース) ( )は中小企業以外の金額
有期契約労働者等の賃金規定等を増額改定した場合(2% 以上増額改定)
・すべての賃金テーブルを増額改定
対象労働者数が
1〜3人 : 9.5万円(71,250円)
4〜6人 : 19万円(142,500円)
7〜10人 : 28.5万円(19万円)
11〜100人 : 1人あたり 2.85万円(1.9万円)
・一部の賃金規定等を増額改定
対象労働者数が
1〜3人 : 47,500円(33,250円)
4〜6人 : 95,000円(71,250円)
7〜10人 : 142,500円(95,000万円)
11〜100人 : 1人あたり 14,250円(9,500円)
※「職務評価」の手法の活用により実施した場合、1事業所あたり 19万円(14.25万円)加算
(健康診断制度コース)※有期労働者等の4人以上に実施
有期契約労働者等を対象に法定外の健康診断制度を新たに規定・適用した場合
1事業所あたり38万円(28.5万円)
(賃金規定等共通化コース)
有期契約労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を新たに規定・適用した場合
1事業所あたり57万円(42.75万円)
・共通の賃金テーブルの導入・適用:1事業所あたり60万円(45万円)
③週所定労働時間を25時間 未満から30時間以上に延長し社会保険を適用した場合
1人あたり20万円(15万円)
◆生涯現役起業支援助成金
中高齢者(起業日の年齢が40歳以上)の方が起業するにあたって中高齢者を(60歳以上の方を2名以上また
は 40歳以上の方を3名以上)を雇入れた場合、募集や教育訓練など雇用創出措置に関する費用の一部を助成
します。
・起業者が60歳以上の方 助成率 2/3 上限 200万円
・起業者が40~59歳の方 助成率 1/2 上限 150万円
〈対象となる費用〉
募集・採用に関する費用(求人情報掲載費用、募集・採用パンフレットなどの作成費用、就職説明会の実
施に関する費用、就業規則の策定費用作成 等)
教育訓練に関する費用
助成金を受給するためには、支給要件に合致し、申請することが必要です。
支給要件に合致しても、自動的に支給されるものではなく、また、ハローワークが申請するように勧めてくること
はありませんので、支給要件を確認したうえで、必要書類を用意し、期間内に申請しなければなりません。
助成金の要件を満たしているにもかかわらず、助成金自体を知らなかったり、申請期限に間に合わなかったりと支
給を受けることを逃しているケースが多く見受けられるのが現状です。
助成金の申請は、事業主様ご自身で行うことは可能ですが、助成金のほとんどは、申請するだけではなく、事前に
計画書等の届出が必要で、添付書類も多いため、手続きに慣れていなければ、書類作成や添付書類の準備に時間が
かかるうえ、何度もハローワークへ出向くことになり、また、申請後にも、ハローワークからの内容についての確
認や問合せの対応も必要とで、簡単にはいきません。 申請する期間も決まっており、1日でも遅れると支給を受ける
ことができなくなるなど、期日管理も必要ですので、手続きの代行をおすすめしています。
①面倒な手続きから解放されます。(申請書の作成、ハローワークへの届出・申請、問合せ対応を行います。)
②申請期限のスケジュールを管理します。申請漏れのないよう管理します。1日でも申請が遅れると支給を受け
ることができなくなります)
③支給を早く受けられるようにします。(申請書類をきっちりと揃えることで、ハローワーク・労働局とのやり
取りの時間を減らします。また、催促を行います。)
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