社会経済情勢の変化に伴い、雇用形態が正社員だけでなく、パートタイマー、契約社員のように多様化し、また、
労働者(従業員)が労働に関する価値観の変化や労働関係法令に関心・知識を持つようになり、これまでの労使関
係に変化が生じるようになってきました。
特に、解雇、賃金など労働条件に関する事項について労使間のトラブル(個々の労働者と事業主との紛争)が急増
し、また、労働基準法違反に関する行政指導も行われており、場合によっては、企業名公表など、企業経営におい
て大きな影響を及ぼすような状況になっています。
現状、労使間のトラブルや行政指導も行われていないからと大丈夫と考えていても、これらのリスクは潜在してお
り、トラブルが発生してから対応するのでは遅いのです。トラブルが発生してからの対応には時間や費用がかかる
うえ、企業経営の根幹を揺るがす事態にも発展する可能性があります。
就業規則のない場合、次のような問題が起こり易いと言えます。
・労使間トラブル(特に解雇、退職、賃金等)が発生しやすく、発生しても適切な対応ができない。
⇒ 企業にとって不利となる可能性が高い。
・コンプライアンス(法令遵守)違反であり、行政指導、是正勧告の対象のとなる。
(法令で作成・届出の義務がある、常時10人以上を使用する事業場の場合)
・従業員のモラルの問題が生じる。⇒低下する。
・従業員のモチベーションの維持が難しい。
・各種助成金の支給申請の際には必須
・従業員の労務管理が一元的に行えない。 等
就業規則には、企業防衛にはもちろんのこと、コンプライアンスを重視した経営、社員のモラルやモチベーション
向上などにおいて重大な役割をもっており、企業経営における最も重要なツールの1つであると言えます。
職場において、事業主と労働者との間で、労働条件や職場で守るべき規律などについての理解がくい違い、これが
原因となってトラブルが発生することがあります。このようなことを防ぐためには、労働時間や賃金などの労働条
件や服務規律などをはっきりと定め労働者に明確に周知しておくことが必要です。
就業規則とは、労働者が就業するにあたり、遵守すべき服務規律や労働時間、賃金などの労働条件について具体的
に定めたものであり、いわゆる"会社のルールブック"と言えるものです。また、賃金、退職金、育児・介護休業等の
ように別規程を設けている場合においても、これらの規程も就業規則の一部ということになります。
就業規則は、法令で記載しなければならない事項が定められており、また、その内容は、法令の基準を下回るこ
とができないなど、一定のルールが設けられています。
@記載事項
◆絶対的記載事項(必ず記載しなければならない事項)
・始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合にお
いては、就業時転換に関する事項
・賃金(臨時の賃金等を除く)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関
する事項
・退職に関する事項(解雇の事由を含む)
◆相対的記載事項(定めがある場合、記載しなければならない事項)
・退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法
並びに退職手当の支払の時期に関する事項
・臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
・労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
・安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
・職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
・災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
・表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
・その他、当該事業場の労働者のすべてに適用される事項
◆任意記載事項(法令又は労働協約に反しないものであれば、使用者が任意に記載することができる事項)
A制裁による減給の制限
制裁による減給については、「1回の額は平均賃金の1日分の2分の1以内、総額は一賃金支払い機の賃金総
額の10分の1以内」の制限が法令で定められています。
B法令等との関係
就業規則は、法令または労働協約に反して作成することはできません。法令及び労働協約に違反する就業規則
は、その違反した部分は無効となり、法令及び労働協約の基準にされることになります。
正社員ほか、パートタイム労働者など就業形態が異なる労働者がいる場合に、正社員のみを対象とした就業規則
である場合には、就業規則の内容を就業形態ごとに区分して明記するか、又は就業形態ごとにそれぞれの別々の
就業規則を作成する必要があります。
法令では就業規則の作成・届出の義務は、常時10人以上を使用する事業場の使用者に課せられています。また、
常時10人未満の事業場においても、作成することが望ましいといえます。
頻繁に行われている法改正や届出書類の様式も変更にも完全対応します。
作成・変更にあたっては、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合は、その労働組合、ない場合には、労
働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければなりません。但し、同意までは必要ありません。
賃金の引下げなど労働者にとって不利益な労働条件を課すことは、合理的な理由がない限り、認められません。
作成・届出をした就業規則は、労働者に周知する必要があり、周知しなければその効力が発生しないことは言う
までもありません。
就業規則をひとりひとりに配布することが望ましいのですが、少なくとも各職場の見易い場所に掲示するか、あ
るいは労働者がいつでも見ることができるような場所に備え付けるなどの方法により、労働者に就業規則を周知
させなければなりません。
周知方法として、就業規則を磁気テープ、磁気ディスク、その他これらに準ずるものに記録し、各作業場に当該
記録の内容を常時確認できる機器を設置し、労働者が必要なときに容易に見ることができるようにしておくこと
でもよいこととなっています
就業規則には次のようなメリットがあります。
就業規則に画一的な労働条件を定めることにより、従業員ごとに個別に労働条件を定める必要がありません。
また、従業員の間に不公平感も生まれることなく、労務管理を行うことができます。
法令で作成・届出の義務のある事業場は、労働基準監督署の定期監督等による就業規則の内容及び存在の確認が
行われる場合には、労働基準法違反に関する行政指導の対象となり、場合によっては、企業名公表など、企業経
営において大きな影響を及ぼすことになります。
内容のしっかりした就業規則は、コンプライアンスを重視した企業経営には必須です。
労使トラブルが発生した場合や未然防止のためには就業規則にどのように記載されているかが根拠となるため、
特に解雇、退職などトラブルの多い項目については、具体的に明記することにより、適切な対応を行うことが
できます。
職場のルールが明確になり、労働に関する権利だけでなく義務についても理解でき、従業員のモラルの向上が図
れ、従業員にとって安心感を持って働くことができるようになります。 また、内容のしっかりした就業規則の存
在は、従業員のモチベーションアップにもつながります。
就業規則がない、または内容が不十分であると、助成金の要件に適合しても支給を受けられません。このような
ことを避けるためにも、就業規則をしっかりと整備する必要があります。
就業規則が存在するだけでは、さまざま事象・問題に対応できるわけではではありません。就業規則は内容こそが
非常に重要であるため、その内容が不十分であれば、逆にトラブルを生む要因になります。就業規則についてのチ
ェックポイントとして、次の場合に当てはまる場合は要注意ですので、早急に対応が必要です。
常時10人以上を使用する使用者は、就業規則の作成・届出の義務があります。また、常時10人未満の場合におい
ても、法令では作成・届出の義務はありませんが、作成することが望ましいといえます。
法改正は頻繁に行われており、法改正に合わせ、都度、法令に適合した内容にしなければなりません。
会社の実態に合っていない、必要な項目が網羅されていない、または、労使のどちらかに有利・不利であるなど
就業規則としての役割を果たすことができないことが考えられます。
このような就業規則では、労使間のトラブルが発生しやすく、また発生した場合においても就業規則を根拠とし
た対応が困難となります。 実態と異なる内容では、効力はなく、就業規則とは言えません。
表現についてどちらでも解釈できる内容は避け、できるだけ明確な文章にすることが必要です。特にトラブルの
多い解雇や懲戒規程に関して、可能な限り列記することが望ましいと言えます。
雇用形態が多様化により、パートタイマー、アルバイト、派遣社員、有期雇用契約労働者の非正規社員の労働条
件等が異なるにも関わらず、就業規則の内容は、正社員を対象としたものでは、トラブルの元となり、すべての
労働者を対象とした内容を取り込むか、パートタイマー就業規則というように、別規程として作成する必要があ
ります。
なお、パートタイマーには退職金制度がないにもかかわらず、パートタイマー用の就業規則を作成していなかっ
たため、正社員用の退職金制度を適用しなければならなくなった事例もあります。
就業規則は、労働条件や服務規律等を定めたもので、その内容は労使双方を拘束するものですから、労働者に周
知しなければなりません。労働条件や解雇などトラブルとなるケースが多いため、周知は必要です。
労務管理の専門家の視点から作成・見直しします。
ここが違います!
@企業の実態に合ったオリジナルの就業規則を作成します。
A最新の法令に対応します。(法改正によるメンテナンスは顧問契約にて対応)
Bトラブル事例をもとに詳細に作成します。 解雇、退職、懲戒処分などトラブルとなりやすい項目について
詳細に対応します。
(完成までには3週間〜2カ月程度かかります。)
@内容についての打合せ・詳細ヒアリング
A見積書提示
B就業規則のベースを作成・説明
C修正・手直し
D労働者へ説明、労働者代表からの意見聴取
E仕上げ・完成
F労働基準監督署へ届出(労働者代表の意見書添付) G納品
費用:10万円〜
賃金規程、退職金規程を別規程とする場合:各々5万円〜加算となります。
作成内容により、費用は異なりますので、別途見積りいたします。
《費用に含まれるもの》
・作成に係る費用
・労働者への内容説明、労働者代表への意見聴取・意見書作成
・労働基準監督署への届出
《納品物》
・就業規則(労働基準監督署届出済分)
・就業規則データ
〒336-0033
さいたま市南区曲本5-6-23
TEL 048-753-9905
FAX 048-753-9906